日記
2010年06月17日

オーボエ教室でのリードレッスン

カンタービレオーボエ教室では、リード製作のレッスンもしております。

ほとんどの生徒さんが舟形ケーンからつくり始め、極めて基礎的な糸の巻き方やリードナイフを用いてのリード削り方、ワイヤーの巻き方、材料の選び方などをアドヴァイスしています。

リード製作は大変なのですが、これがまた楽しくてたまらない!ぜひやってみたい!と、おっしゃる生徒さんが後を絶ちません。

私もリードについては大学時代に、ヨーロッパのオーケストラで活躍された、元世界一流の日本人奏者の方に教わりましたが、彼から教わった彼の企業秘密については、私は人前でそれらをやることはないですし、家内にも「これは、他の人には言わないでね。同業者が迷惑するからね。」と、言っています。そうすることは、その方との約束なのです。

オーボエ教室でのリード製作レッスンは、生徒さんのご希望で、基礎的なことから高度な内容までアドヴァイスしていますが、極めて高度な内容については、私はまずヒントだけ与えます。そのヒントを考えて、自分がそれを実際にやってみて、そのリードをレッスンに持ってきた方だけ、私は正解を教えます。正解とはその人にとっての正解であり、その人がそれで良いと思ったらそれが正解。それで問題を感じなければ、それはその人の正解で、その人はそれまでの人なのです。それ以上のことを望まないのですから・・・・。

リードは音楽を表現するための道具です。リードがいくら良質でも、その演奏者が強い音楽表現を望んでいなければ、良質なリードを使うことは無意味なことです。リードが、そのプレーヤーの音楽性を伸ばすわけではありません。引き出すだけなのです。

さまざまな演奏者の音楽、さまざまな演奏者の解釈に刺激され、取り入れようとする姿勢こそ、音楽家としてもっとも大切なことなのです。

人間もしかり。さまざまな人間に出会うことこそ、私たち人間の成長につながり、これからの人生を明るく楽しくするための糧となることでしょう。

人間 イコール 音楽。  音楽 イコール 人間。 この図式が私の音楽人生において、もっとも重要な音楽哲学なのです!