オーボエにはいくつかの種類があり、音色も異なります。オーボエを始めようという方の中には、どの種類を選べばよいかわからない方もおられるでしょう。種類の違いを知ることで、どのオーボエを選べばよいのかわかります。ここでは、オーボエの種類や特徴、システムの種類についてご紹介します。

オーボエの種類

オーボエにはいくつかの種類があり、音楽のジャンルや曲目によって選ばれます。それぞれの特徴は、以下のようになります。

オーボエ・ダモーレ

オーボエ・ダモーレは、イタリア語で「愛のオーボエ」という意味です。一般的なオーボエよりも管が長く、ラの音を基調とした低い音域が特徴で、甘い音色を奏でます。オーボエ・ダモーレは、バロック音楽時代の宗教音楽や、バロックオペラや協奏曲で用いられることが多いオーボエです。

イングリッシュホルン

イングリッシュホルンはファの音を基調とし、低い音域を担当します。名前に「ホルン」という言葉が入っているものの、ホルンの仲間ではありません。一般的なオーボエよりも太く、音色が力強く存在感もあります。管弦楽曲で用いられることが多く、オーボエと持ち替えで演奏されることが多い楽器です。

バス・オーボエ

バス・オーボエは、オーボエより1オクターブ低い音域です。1889年にフランス人のロレーが完成させ、欠陥を改良する形で1904年にドイツで再誕生しました。オーボエの中では、演奏される機会が少ない楽器です。

オーボエ・ミュゼット

オーボエ・ミュゼットは、オーボエの種類において高い音域を持ち、長さも3分の2程度と短いのが特徴です。オーケストラで演奏される機会の少ない、レアな楽器になります。

オーボエ

オーボエは、最も一般的に用いられる種類です。ドの音を基調としており、さまざまな楽曲で用いられています。

 

オーボエのシステムの種類

オーボエのシステムは、2種類あります。

セミオートマチック

セミオートマチックは単純な構造で、重量も軽く吹奏感が軽やかです。フルオートマチックのようにメンテナンスが複雑ではないため、初心者でも扱いやすいシステムです。オートマチックのように自動でオクターブキーの切り替えはできませんが、合理的に指を使い、柔軟性のある音色を奏でられるのがメリットになります。

フルオートマチック

フルオートマチックは、自動でオクターブの切り替えができ、使用パーツが多く複雑な構造を持ちます。パーツが多いため重量も重く、調整やメンテナンスも複雑です。

 

オーボエのタイプ

オーボエのタイプは、2種類あります。

フランス式

フランス式は19世紀に作られたオーボエです。キーシステムの配置が他のスタイルと異なり、左手小指のためのキーが特徴的です。演奏者は容易に特定の音を演奏できるため、広く普及しています。

ドイツ式

ドイツ式のオーボエは、ドイツの伝統的な音楽で用いられることが多いスタイルです。ウィーンの奏者が使用することの多いことから、「ウィンナーオーボエ」と呼ばれています。シンプル・システムと呼ばれるシステムを採用しており、演奏者がキーを操作しやすい構造です。

 

オーボエの素材の種類

オーボエの素材は、主にローズウッドとグラナディアの2種類が用いられます。

ローズウッド

オーボエの素材として使われる一般的な素材の一つがローズウッドです。ローズウッドはさまざまな種類があり、中でもゴンザロ・アルベルトと呼ばれる種類がオーボエ製作によく使用されます。密度と硬度の高い特性が、オーボエの振動や音の伝播に影響を与え豊かで響きのある音を生み出します。耐久性があり、変形しにくいのも特徴です。

グラナディア

グラナディアは、オーボエなどの木管楽器やクラリネットの材料として使用される木材の一つで、ゴンザロ・アルベルトとも呼ばれます。アフリカのサバンナ地帯で見られるダルシー科の樹木で、とくにダルシー・メランソクミスという樹種の木材です。グラナディアもローズウッドと同様に密度や硬度が高く、楽器の共鳴特性が向上して豊かで響きのある音を生み出します。美しい模様と深いブラウンや黒の色味は、高級感があります。

 

まとめ