2024年03月10日

オーボエの魅力に迫る!美しい音色と奥深い表現力についてご紹介

オーボエの魅力に迫る!美しい音色と奥深い表現力についてご紹介

クラシック音楽を聴くときに、管楽器の音色の美しさが好きだという方は多くいるでしょう。そのなかでもオーボエは、じつはオーケストラのなかで、主役になることもある非常に魅力的な楽器です。その深い響きと豊かな表現力は、クラリネットやフルートに決して劣るものではありません。

そこで今回はオーボエの魅力を知っていただくために、その歴史や楽器としての特徴、音色の魅力、オーボエが活躍するクラシック曲などをご紹介します。

魅力に満ちた楽器、オーボエとは?

オーボエはいつごろ、どのようにして誕生したのか、またどのような特徴があるのかについてみていきましょう。

楽器の歴史

オーボエは、ダブルリードで演奏をする木管楽器です。これに似た構造をもつ葦笛が古代エジプトの壁画に描かれていて、その起源は数千年も昔に遡ることがわかります。

現在のオーボエの、直接の原型となる楽器があらわれたのは、13世紀後半のヨーロッパでした。これはショームとよばれ、おもに軍隊で使われていた楽器でした。ショームを発展させたのは、オランダのアムステルダムで活躍していた楽器製作者のハッカです。彼は17世紀に、ショームとオーボエの中間的な木管楽器を作っていました。そしてそれから間もなく、フランスの楽器製作者であったオトテール一族がショームをさらに改良し、わたしたちが知るオーボエを完成させたのです。

美しい音色の特徴

オーボエの音色は美しいだけでなく、音域によって異なる雰囲気をもっています。その魅力が存分に発揮されるのがとくに中音域です。この音域では華やかさだけでなく、哀愁の帯びた音色をもオーボエは響かせます。重要な場面になると、オーケストラのなかでオーボエがしばしば主役となり、主旋律を奏でるのは、まさにこの音色のおかげです。また低音域では、オーボエの音色は暗く渋みのある響きとなり、反対に高音域ではやや金属的かつ刺激的なものに変化します。

 

オーボエはクラリネットやフルートとどう違うのか?

たとえばクラリネットやフルートなども、だれもが知る代表的な管楽器です。これらと比べて、オーボエにはどのような魅力と特徴があるのかをみていきましょう。

オーボエとクラリネットの違い

オーボエとクラリネットの大きな違いは、使用されるリードの枚数です。オーボエは2枚使用のダブルリード楽器であるのに対し、クラリネットは1枚使用のシングルリード楽器です。リードとは、息を吹き込む部分に取り付けられる薄い板のことで、オーボエ奏者はこのリードに直接口をつけます。それに対しクラリネットでは、マウスピースにリードを取り付け、それに息を吹き込みます。

オーボエの2枚のリード間は1mmほどの間隔です。この狭いすき間に息が吹き込まれると、リードは細かく振動し、開閉を繰り返しながら、楽器内に音波を伝えます。リードのこの働きを理解したうえで、演奏者は息使いを調節するため、オーボエの音色は非常に繊細かつ優美なものになります。それに対し、演奏者が勢いよく息を吹き込めるクラリネットの場合は、華やかで力強い音色が特徴的です。

オーボエとフルートの違い

フルートもまた、オーボエやクラリネットと同じくオーケストラでの花形です。ですがこれら2つの楽器と、フルートには大きな違いがあります。横笛であることと、またリードがないため、演奏者が楽器に直接息を吹き込むことなどが、フルートの特徴です。

フルートの音色は、とくに高音域で大きな魅力を発揮します。音量は小さくとも、澄んだ響きを出すフルートの音色は、小鳥のさえずりのようだといわれます。それに対し、オーボエの魅力はなんといっても中音域の深く豊かな音色です。またオーボエは管が分割できないという性質上、音程が安定しています。そのためオーケストラでは、ほかの楽器のチューニングとして、オーボエがいつも音を提供するほどです。

 

オーボエの魅力を楽しめる代表的な曲

楽器の魅力を知るには、それが使われている曲を聴くのが一番の近道です。世界の名曲のなかで、オーボエが活躍する代表的なクラシック曲を3つご紹介します。

チャイコフスキー作曲 「白鳥の湖」 第10曲 『情景』

だれもが一度は聴いたことのあるメロディで、有名な曲です。この主旋律の響きに、オーボエの中音域における魅力が存分に発揮されています。抒情的な調べをここまで悠々と奏でられる管楽器は、オーボエのほかにはないでしょう。

モーツァルト作曲 「コジ・ファン・トゥッテ」

冒頭からオーボエの堂々としたソロが聴けます。オーケストラのなかで、オーボエが非常に目立つ曲です。

グリーグ作曲 「ペール・ギュント組曲」 第1組曲、第1曲『朝』

オーボエとフルートの美しい調べで始まる有名な曲です。それぞれの楽器の異なる魅力を十分に楽しめます。

 

まとめ

今回はオーボエの特徴と魅力についてお伝えしてきました。オーボエは、オーケストラのなかでも、クラリネットやフルートに並んで非常に重要な役割をもっています。とくに中音域で発揮される、オーボエの際立った表現力と深い音色は、ほかの楽器ではけっして出せないものだといってもいいでしょう。管楽器を始めてみようと思う方は、オーボエの魅力についても考えてみませんか。

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